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宇野 浩  

NO.26回「言葉づかい」

2005/8/19
 

仕事塾第26回 「言葉づかい」

 昨今、学生や若い人達の会話を聞いていると「言葉づかい」が気になります。ご本人たちにすれば当たり前の「言葉」であり、正常な会話をしていると信じていますので気にする様子はありませんが、私ども年をとったものの常識からすると、どうしても理解できない「語彙」や「言葉づかい」が多く、素直に受け入れることができません。
 取り分け心配なのは、就職活動のことです。当然、企業訪問に行ったり面接試験を受けたり致しますが、その際行われる会話はどうなるのでしょう。必然的にこの調子で話したりこの言葉で応対してしまうのではないかと危惧します。もちろん、人間はそれぞれに感性がありますし、いろいろな考え方をする人がいますので「価値観」が違います。だから中にはそのような「言葉遣い」でもよいヨ、という事業主さんもいらっしゃるかもしれません。

 しかし、常識的に考えるとこの言葉づかいで、果たして採用してもらえるのだろうかと心配するのが普通の考え方だと思います。

 少し具体的に申し上げてみますと、まず気になるのは「何々でエー」とか「これこれハー」と語尾を必要以上に上げて話をする癖がある人のことです。この言葉づかいは特に女性に多いようですが、流行した十年ほど前と比べるとずいぶん下火になってきたとは思います。しかし特徴的で独特なイントネーションだけに耳障りが悪く、すごく気になります。

 次に気になるのは学生同士の隠語?やコギャル語?といわれている言葉です。現在のところ、私と会話をしている場で頻繁に使われることはございませんが、それでも時折ごまかしたり、隠すことができないみたいで「チョベリバ・チョベリグ」とか「うざったい」「マジデー」「チョー何々」「ヤバイ」などという意味不明、理解困難な語彙が混ざってしまうことがあります。最近は一部の国語学者や文科省のお役人のなかには「言葉は時代とともに変わるものなので、現在は特異に聞こえる言葉でも一般的に共通理解ができれば認知しなければならない」などと「言葉文化論」を披露してくださる先生もおられます。私もその考え方には異論はありません。ただ、私がここで申し上げているのは学問的な国語論争で意見を戦わせようというのではなく、現実問題として就職活動にふさわしい言葉づかいは何かというということを考えようということです。その視点から見ると、先述した言葉は日常生活でまだ認知されていないと思われるので、認めるわけにはいかないということです。

 お店に買い物に来たお客さんにマジデーと使えるでしょうか。会議で真剣に討論しているときにヤバイとか、上司と仕事の打ち合わせをしているときウザイと言えるでしょうか。「チョベリバ」なのです。だから企業は最近言葉遣いの善し悪しまで採否の基準にしているのです。皆さんに注意すると「T・P・Oで使い分けますヨ」と、こともなげに言われます。しかし企業の話をお聞きすると、従業員の言葉の乱れがだんだんひどくなっていると嘆いておられます。例えば「コピー10部でよろしかったでしょうか?」とか「部長の方(ホウ)はご都合はどうでしょうか?」「超忙しい」などの会話が日常的に飛び交っており、大切なお客さんには応対をさせられないそうです。

 特に尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い分けができていない人が多く、入社後長い時間をかけて研修をしているのになかなか直らないと苦い体験を語られるのです。言うまでも無く尊敬語とは相手を持ち上げるときに使う言葉で、謙譲語は自分の立場を低くするとき、そして丁寧語は立場は対等ですが、言葉の使い方を丁寧にするということです。スペースの都合でたくさんの例を示して説明することはできませんが、簡単に言うと「話される」は尊敬語で、「ご案内します」は謙譲語、「私は学生就職相談室の宇野です」は丁寧語です。ちなみに自分のことは「ワタシ・ワタクシ」、相手は「アナタ・オタクサマ・○○サマ」が一般的です。企業が採用の際に重視することことに「コミュニケーション能力」を挙げていますが、「コミュニケーション」の第一歩は人と人との会話から始まります。そして会話で一番大切なのは言葉遣いなのです。極論すれば正しい「言葉づかい」ができないと、社会常識がない人だと評価されるのです。学生同士の隠語やコギャル語で話せば格好よいと錯覚をしている人がいますが、下品で意味不明・理解不能の言葉が世間に通用するようになるのには当分時間がかかります。

 就職をするということは社会に順応することです。「面接やお客さんと話をするときはきちんとしますカラー」といって耳を貸さない人がいますが、習慣とは怖いもので無意識のうちに品の無さを暴露してお里が知れるのです。
「ワタシ的ニハー、ワカッティングと思うがチョブルーなことです。ギャクギレする前に一度マジニー考えてください」


宇野 浩

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