あなたに必要な人・情報を
パートナーシップでネットワークする

HOME > ガイド > 芸能界レポート
大富士  
NO.10 「お気に召すまま」舞台報告 2004/8/31
 

記録的に暑かった今年の夏、8月6日に幕が開いた「お気に召すまま」も熱い内に21日、無事に終わりました。
そこで、大富士日記 NO.10はその様子を報告します。
 今回の芝居は、男優だけで演じるシェークスピア。主役のロザリンドにドラマで人気の成宮寛貴君、オーランドーに小栗旬君。二人とも、イケメン。他の役者もイケメンだらけ。そんな中でブタメン??の私はオーランドーと戦うチャールズというレスラーの役。 私としても、久し振りに台詞が多い役なので、気合が入る。

 7月8日稽古初日、さいたま芸術劇場で顔合わせ。見慣れた顔が多いので少しは気が楽だ。若い成宮君、小栗君はどんな芝居をするのだろうか?そして本読み。いつもならここ迄で終了。ところが、いきなり立ち稽古。うかつにも稽古着を持って行かなかった私は、 少し動揺する。そして稽古開始。初日から蜷川さんの細かい駄目出し。私の出番が来るが、台詞が上手く喋れない。 頭には入っているのですが・・・頑張らなくては。

 7月10日、稽古が始まって3日目、とんでもないことが起こる。
この日も開始から蜷川さんの怒鳴り声が稽古場に響く。男役も演じる女役の成宮君は大変です。そして私の出番になり、集中砲火?千本ノック??で私は少しパニック状態に。休憩後、殺陣師の先生から小栗君とレスリングのシーンの指導を受ける。最後に私が投げ飛ばされて、貴族たちに運び出されるという設定。稽古再開後、レスリングのシーン。受身を取る私の左肩に激痛が走る。運び出されて椅子に座り、痛みを我慢しながら稽古の続きを見る。ところが、左肩を触ってみてビックリ!肩がだらーんとしてる。 そして痛みが我慢出来なくなり、近くの整骨医院に行かせて貰う。そこで肩を入れて貰い、痛みがだいぶ楽になる。診断は左肩亜脱臼、全治4週間。8月6日の初日迄に間に合うのか、ぎりぎりだ。芸能界に入って最大のピンチだ。レスリングのシーンが出来なければ如何しよう?代役か?頭の中が混乱してる。 ちょっとした油断が大変なことに。
左肩はここの所、ちょっと調子が良くなかった。殺陣の先生に一言、右肩から行かせて下さいと言えばこんなことには・・・その前に芝居の事で頭がパニックになってたから、ついその一言が・・・日頃私は、腹筋をしたりダンベルで筋トレを1時間位している。役柄、裸になる機会が多いからだ。相撲をやめてもう18年、30キロ以上痩せたし、筋肉も大分落ちている。裸になるのは本当は恥ずかしい。でもキャラクターだから仕方ない。 私は、まだまだ芝居が下手だから身体だけはと思って、トレーニングをしている。それがこんなことで怪我をするなんて恥ずかしい。
医者の話だと、2週間位は安静にして下さいとのこと。湿布をして三角巾で肩を吊り稽古場に戻る。皆の顔を見るのがとても恥ずかしい。でも、皆が心配してくれる。蜷川さんも「大丈夫か?代えないから大丈夫。他に居ないから。もう帰っていいよ。」その言葉に安心感と、何とか本番に間に合わせなければと決意が。「いや、最後まで稽古場に居ます」と私。「何日間か休んでいいですよ。」と演出助手に言われたが、「明日も見学に来ます。」と私。
車で通ってる私は帰りが大変だった。周りでは車を置いてけばと勧められるが、片手運転で帰ることにした。
次の日の朝、かなりの痛みが。稽古場に電話を入れて2日間、休ませて貰うことにした。

 7月13日、肩の骨が出っ張っているので近所の病院でレントゲンを撮り、再診断。元に戻すには手術が必要で、3ヶ月位掛かるらしい。
しかも、ちゃんと動くようになるかは分からないらしい。見た目はかっこ悪いが、このまま我慢したほうがいいらしい。参った。しかし、何をするにも右手だけの生活は不便だ。五体満足の有り難さをしみじみと実感する。
 
 7月19日、レスリングのシーンの再開だ。殺陣師の先生が、左手を殆ど使わないように変更してくれた。何とか初日まで間に合うか? いや、間に合わせなければ。三角巾も取れて、痛みも大分楽になってきた。

 7月26日、またもやピンチに。稽古終了後、今度は右肩が痛くなってきた。ヤバイ!夜になると上がらなくなってきた。
次の日は、幸いに稽古休み。何とか楽になってきてホッとする。役作りの為にマンションの屋上で身体を焼く。3回目、 かなり黒くなってきた。身体に良くないと分かっているが・・・

 7月29日、頭をモヒカン刈りにする。生まれて初めてなので恥ずかしい。稽古も仕上げに入り、通し稽古だ。 最初はどうなるか心配されてた成宮君、凄く良くなって来た。小栗君はナチュラルで、今回の役にぴったりだ。蜷川さんから殆ど怒られていない。二人とも21歳、若いよなあー、羨ましい。 今回、本物の羊も登場することになった。しかし、おしっこと糞の問題が。そこで、スタッフが紙おむつを毛皮で細工をして、 見た目にはおむつが分からないようにした。さすがに蜷川さんのスタッフだ。

 8月1日から5日迄、劇場での舞台稽古。左肩の具合も大分良くなって来た。何とか初日までに間に合いそうだ。 でも、油断は出来ない。右肩も気をつけなければ。

 8月6日初日、頭をスキンヘッドにする。怖さが増した?私としてもこちらの方が恥ずかしくない。                 
 しかし、無事に迎えることが出来て本当に嬉しい。当日券の補助席も出てる。それにしても若い女の子が多い。 やはり、成宮君、小栗君の効果か?終演後の乾杯で蜷川さん、本当に嬉しそう だ。成宮君も、私も。

 そして、連日大盛況のまま無事、千秋楽。さいたま芸術劇場が開館して10年、観客動員数の記録を作った。 今回の芝居は皆、苦労して作っただけに、本当に良い作品に出来上がったと思 う。私としても最大のピンチだっただけに、本当に嬉しい。蜷川さんの芝居は毎回そうなのだが、大変です。しかし、充実感も有るし本当に楽しい。
レスリングのシーンで、重い私を担いでくれた皆さん、そのシーンの後、会うと何時も「大丈夫?」と心配してくれたやさしい小栗君、蜷川さんを始めスタッフと共演者の皆さん、本当に有難うございました。感謝してます。

 怪我の話が長くなりましたが、どうかお許しください。

 8月26日、私もついに46歳!?どんな46歳の1年になるのやら???

   
   

 

大富士

アルテクラ事務局  〒810-0041 福岡市中央区大名2-4-38-808
(C)2003 articul.com Japan. All rights reserved
掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載等を禁じます。